なぜ私がチャリティ活動をしているのかを書きたいと思います
- 2023年10月11日
- Blog
こんにちは！大変ご無沙汰しておりました。
この間も、少しばかりボランティアやチャリティー活動に勤しんでおりました。
何故、どんな気持ちで寄付やボランティア活動をしているのか、時折り理由を尋ねられますので、それを以下にかきしるします。長文失礼致します。
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5月31日は亡くなった母のお誕生日でした。
母は思慮深い、おとなしい女性で、薬剤師として日々仕事をしながらボランティア活動も積極的に行い、東日本大震災で家が無くなった福島の方たちにアパートを借りて差し上げたり（福島の出身だったこともあり）、本当に愛情深いひとでした。
お誕生日に際し、母が最も愛し、そして最も憎んだとおもわれる父のことを書いてみたいと思います。
父は秋田県大館市という田舎町で、内科の医師をしており、祖父の作った病院をほぼ一人で経営していました。
100床もある地域の中核病院を父の兄弟親戚である数人の医師、数十人の看護師や、母を含む医療従事者と共に運営して、地域医療に貢献していました。
ほぼ一人で と言うのはおかしなことですが、週に6日の当直をして、警察の嘱託医として事故や変死があると夜中でもほぼ毎日呼ばれて処置をして、昼間は一日中外来や入院患者様達の回診をこなしていましたから、父の仕事ぶりはそう思わせるような激務でした。
父は大館の自然、山や川が大好きで、休みの日は早起きをして、春は山で山菜を採り、夏は海や川で釣りをし、秋はキノコ採り 冬は海釣りを楽しんでいました。そのため私たち家族は年中、新鮮な山や川の幸を楽しむことが出来ました。日々の激務をこなしながら休日も人一倍楽しむ父の体力は、並大抵ではありませんでした。
父が惜しみなく私たちに注いでくれたものは、教育の機会でした。
田舎には家庭教師も塾も無かったので、通信教育や受験の予備校、海外留学など、私たち望む全てを与えてくれました。本も好きなだけ読ませてくれて、良い音楽もシャワーのように浴びせてくれました。人間の価値は本棚の数で決まる、勉強したことは誰にも盗まれない、経験したことは全部血肉になる、というのが口癖で、そういう意味では、父は本当に尊敬すべき父親であり、尊敬すべき医師でした。
そんな立派な人間なはずの父の、最大の欠点は、
暴力でした。
日本酒をコップに入れてまるで水を飲むようにがぶがぶと飲んで、そのあと暴れるのです。
お酒を飲んでは母に暴力をふるって、それを兄と私で止めるのですが、そうすると兄が暴力をふるわれる。さすがに私や、幼い弟や妹には手をあげませんでしたが、父がお酒を飲んでいる日の私たちの恐怖感は、ただごとではありませんでした。その時の恐ろしさは今も鮮明に覚えています。そのようなこともあり、私たちが大学を卒業してから、私以外の兄弟は、実家に一切寄り付かなくなってしまったのでした
父が亡くなる前のある日
俺は地獄に落ちるだろうな、色んなことでみんなを傷つけたから
と突然言い出しました。
それはきっと母に対する懺悔だったのでしょう。
母はとてもまじめな性格だったので、兄が父の暴力が原因で実家の病院を継がないこと決めたのに、それを自分の責任だと思い込んで、病院が他人の手に渡るということを日々思い悩んでいました。もちろんそのことだけではなかったけど、それら様々なマイナスの感情が引き金となってパーキンソン病を発症し、そこから痴ほう症になって施設で亡くなりました。
母は、病気と闘いながら日ごと衰えていく脳で、父と暴力を心底憎んだのではないかと思います。母に父が亡くなったことを報告した時、言葉は何も理解できないはずなのに、ぽろっと一筋の涙をこぼしました。父をどんなに憎んでいても、やはり愛していたのだなあと、私も一緒に泣きました。
父が亡くなった時私は、自分の中にある父に対する感情の、愛情以外の部分がすーっと消えていったのがわかりました。のちに兄と話した時に、
あんなに嫌いだったお父さんのこと今は嫌いじゃないんだよ、不思議だけど
と言っていました。兄も同じ思いで父の死をとらえていたのだなと思いました。赦すというのはこのような感情のことを言うのでしょう。
父が亡くなって数か月で、母は亡くなりました。
父が引っ張っていったのかもしれませんが、母が行きたかったのかもしれません。
今の自分があることを両親に心から感謝していますが、
同時に、家庭内で起きる暴力を心底嫌悪しています。
これからも、母から受け継いだ気持ちを胸に、至誠学園はずっと応援し続けたいです。
至誠学園の子供達も、色々な境遇にあると思うのですが、全てのことをあきらめないで生きて行ってほしいです。
そして私も、全てをあきらめずに、これからも精進しようと思います。
